2020年中学受験とその後のノハナ

首都圏で大手塾Yに通って2020に中学受験終了した娘ノハナの中高一貫ライフ

毒母・・・自戒の念を込めて

 

久しぶりに一気に読んだ本のご紹介です。
 

山口恵以子さんの「毒母ですが、なにか」。

 

『でこぼこ中学受験』のmaruigoさんのブログで紹介されていた本で、昭和50年代の小学校受験・中学受験が題材にされたブラックコメディです。

怒涛の展開で、笑えるというよりは恐ろしいほど『母親の狂気』(by 2月の勝者)を見せつけられ、母親側にも子供側にも感情移入してしまい、心が忙しい1冊でした。

 

昭和のお話ではありますが、私が知っている現代のお受験事情と、何十年か経ってもちっとも変わっていないような印象を受けました。都内の小学校受験、あの特殊な世界が学校の実名や内実と共に非常にリアルに描かれています。

 

毒母である主人公のりつ子。重ねてどうしても思い出してしまう人物がいました。

 

ここからちょっと長くなります。

ノハナが中学受験をするであろうことは生まれた時から意識していましたが、それなら小学校受験はどうだろうか、と検討した時期がありました。3歳頃だったかと思います。

住まいのマンションにも入園した幼稚園にもお受験される方が多いということもあり、常にお教室の話や知育関係の習い事など、お受験に関連した話が耳に入る環境でした。

当時いくつかお受験のお教室に体験に行ったり、話を聞きに足を運んだりもしましたが、どうもしっくりこず、わが家では結局私立の小学校受験はしないことと決め、受験しないとしても無駄にはならないだろうと国立受験対策のお教室に通うことにしました。

 

そんな年中・年長時期でしたが、当時通っていた運動系の習い事でご一緒した親子がいました。その時間帯はたまたま生徒がとても少なく、長いこと少人数のレッスンで、近くで終わるまで待機していた母親は私ともう一人。彼女のお子さんがお受験予定でした。

 

毎週毎週会っているうちに話題は自然とお受験のことになり、色んな話を聞いていくうちに、私立のお受験とはこんなにも大変なものかと恐れおののきました。小さなきょうだいを抱えながら、週に何度もの高額なお教室通いに加え、志望校に強いとされる絵画のお教室(もちろん紹介制)に往復何時間もかけて通い、隙間時間にはペーパーをやらせ、年長も中盤になると願書の度重なる添削を受け、そこに添える推薦状を書いていただくのにあれこれと準備する。

生半可な気持ちではできません。そこまでの情熱を注げるのはどんな背景があるんだろうと不思議な思いでいましたが、年長になり本番が近づくにつれ、彼女の形相がどんどん変わっていき、お子さんの一挙手一投足に目を見張り、ピリピリしてすぐに怒るようになりました。

それはもう、辛辣でかわいそうなほど。気の毒になって私がお子さんに優しい言葉をかけていると、それもお母さんは明らかに面白くなさそうなのです。

お子さんはもともと天真爛漫で陽気でひょうきんで人の良いところを素直に褒められるような、その年ごろではなかなか出会わないような素敵なお子さんでしたが、その頃はあまりに逐一注意されるからか、お勉強が大変だからなのか、それ以前に比べ表情が乏しくなり委縮しているようでした。

週に一度のその短い時間(しかも人前)だけでさえそうなんだから、どんな毎日を過ごしているのかと想像しては暗い気持ちになりました。

 

結果的には無事第一志望校に合格した上、その後国立附属小の最高峰にも合格するという快進撃でしたから、お母さんのやり方は正解だったのかもしれません。

とにかく、ああ受験が終わって良かったな、と心から思いました。その後連絡は途絶えましたが、お子さんは元気にしているだろうかと今でも時々思い返します。

※ちなみに他のお受験をした知り合いはもっとゆったりとお子さんに向き合っておられる方がほとんどです。見えない部分でご苦労があるかとは思いますが・・・

 

本に出てくる親子はもっと特殊な背景と劇的な展開がありますが、一部を切り取ればそれは今でもありふれた景色であり、親子の姿なのかもしれません。

 

子育てで思い通りにならないことって沢山ありますね。

人間対人間は相性問題があるから、親子であろうと組み合わせによってうまくいったりいかなかったりもするけど、子供のためを思ってした言動が、実は自分の虚栄心のためだったり、自己実現の道具にしてしまっていたり、そういう危険性はいつだってあるのかもしれません。

毒母は大概悪気がなく自覚もないものですから、気を付けなくてはいけませんね。

 

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